私たち共同船舶は、「安全でおいしい鯨肉を、安心して食卓へ届けること」を使命としています。
捕獲から加工、流通まで一貫した衛生管理体制を築き、船上での細菌検査や化学物質検査、DNA登録によるトレーサビリティなど、すべての工程で清潔・安全・透明を徹底しています。
本記事では、捕鯨母船「関鯨丸」で行われる衛生管理の現場や、鯨肉が安全に届けられるまでのプロセスを、映像とともにご紹介します。
伝統と科学が支える鯨食文化の「安心の舞台裏」を、ぜひご覧ください。
清潔で安全な鯨肉をお届けするために
共同船舶では、国が定める食品衛生基準を遵守するだけでなく、さらに厳しい独自の自主基準を設けています。それは、「おいしいだけでなく、安心して食べられる鯨肉」をお届けしたいという想いからです。
捕獲から加工、流通にいたるまでのすべての工程において、清潔・安全・透明をキーワードに管理体制を構築。捕鯨母船「関鯨丸」には、船上で即座に検査が行える細菌検査室を設置し、一般生菌・大腸菌群・腸炎ビブリオなどの細菌を、食品衛生法に基づく手順で日々チェックしています。
また、母船での作業現場は常に清潔を維持するよう徹底されています。作業員は白衣・手袋・消毒を徹底し、解体や加工の際も温度・衛生環境を厳密に管理。まさに「動く食品工場」としてのレベルで、鯨肉の品質を守り続けています。
さらに、船内では検査できない化学物質(PCB・水銀・放射性物質など)についても、外部の公的分析機関で検査を実施しています。厚生労働省が定める基準値をもとに、共同船舶独自の安全基準を設定し、常に国の基準を上回る管理体制を維持しています。
こうした徹底した取り組みの積み重ねが、皆さまの食卓に安心して並ぶ鯨肉の信頼につながっています。「清潔・安全な鯨肉を、誇りをもって届ける」それが、共同船舶の変わらぬ使命です。
船上での迅速・衛生的な対応体制
捕獲直後の鮮度と衛生を守るため、船上でも素早く検査と処理が行われています。共同船舶では、母船「関鯨丸」を中心に、海の上であっても万全の衛生体制を整えています。
捕鯨母船「関鯨丸」に細菌検査室を設置
共同船舶の母船「関鯨丸」には、最新の細菌検査室が設けられています。
捕獲した鯨肉はすぐに検査室へ運ばれ、一般生菌・大腸菌群・腸炎ビブリオなどの細菌を食品衛生法に基づいた手順で検査。検査は航行中も毎日実施され、少しでも異常が見つかれば、その場で原因を突き止め再発防止策を講じます。
こうした迅速な検査体制により、「海上でも常に地上と同レベルの衛生管理」を実現しています。まさに、「動く衛生研究所」と呼ぶにふさわしい環境です。
職人たちの清潔な作業環境
「関鯨丸」では、熟練した職人たちが、解体から加工までのすべての工程を清潔第一で行っています。
作業前の手洗い・消毒はもちろん、白衣・帽子・手袋の着用を徹底し、使用する器具もその都度殺菌。デッキや床面も定期的に洗浄・除菌を行い、温度・湿度管理にも細心の注意を払っています。
この徹底した衛生意識のもとで、鯨肉は一つひとつ丁寧に処理されます。伝統の技を受け継ぎながらも、最新の科学的管理を融合させた現場。それが共同船舶の誇りです。
こちらの動画では、最新捕鯨母船である関鯨丸(かんげいまる)のデッキ上で行われる実際の作業風景をご覧いただけます。
衛生的な環境の中、熟練の職人が連携しながら一頭の鯨を見事にさばく姿は、まさに「伝統と科学が共存する日本の技」そのもの。
その一瞬一瞬に、清潔さと責任感、そして「命をいただく」という敬意が込められています。
化学物質も徹底チェック!自主基準で安全を守る
共同船舶では、国が定める基準に加えて、さらに厳しい自主基準を設定しています。
鯨肉に含まれる可能性のあるPCB(ポリ塩化ビフェニル)や水銀、放射性物質などについては、外部の公的分析機関に依頼し、定期的に検査を実施。厚生労働省が定める魚介類の基準値よりも厳しい管理を行うことで、安全性を確かなものとしています。
また、輸入鯨肉に適用される残留農薬基準にも照らし合わせ、同様の検査体制を導入。国内外を問わず、消費者が安心して口にできる品質を維持するための努力を続けています。
さらに、環境省国立水俣病総合研究センターが和歌山県太地町で実施した調査では、鯨肉の摂取による水銀の影響について「子どもの発達に明らかな影響は認められない」と報告されています。鯨や魚に含まれるセレンがメチル水銀と結合し、無毒化するためとされています。
こうした科学的根拠と徹底した検査体制のもと、共同船舶は安心して食べられる鯨肉を提供し続けています。
全鯨DNA登録で「いつ・どこで獲れた鯨か」も明確に
共同船舶をはじめ、日本国内で流通するすべての鯨肉は、日本鯨類研究所によってDNA登録が行われています。このDNA登録制度により、流通している鯨肉が「いつ・どこで捕獲されたどの鯨なのか」を遡って確認できる仕組みが整えられています。
つまり、鯨肉一つひとつが生産履歴を持つ食材なのです。
消費者は、鯨肉が適正なルートで流通していることを科学的に確認でき、安心して購入・飲食できるようになっています。この徹底したトレーサビリティ体制こそが、「安全」「透明」「信頼」を支える共同船舶の要です。
未来へ──安心と信頼の鯨食文化を次世代へ
共同船舶は、鯨を大切な海の恵みとして扱い、その資源を次の世代へつなぐために日々努力を重ねています。
徹底した衛生管理や科学的な検査体制、そしてDNAによるトレーサビリティ。これらの取り組みはすべて、「安心しておいしい鯨肉を食べてもらうため」に行われています。
これからも私たちは、伝統と科学を融合させながら、安全で信頼できる鯨肉をお届けし、持続可能な鯨食文化を未来へ受け継いでいきます。