Kujira Japanクジラって身体にイイ!赤肉には「バレニン」、脂肪には「オメガ3」

クジラって身体にイイ!赤肉には「バレニン」、脂肪には「オメガ3」

近年、健康志向の高まりとともに注目を集めているクジラ肉

実はその赤肉や脂肪には、私たちの体にうれしい成分がたっぷり詰まっていることをご存じでしょうか?

疲労回復やアンチエイジング効果が期待される「バレニン」、そして生活習慣病の予防や脳の健康維持に欠かせない「オメガ3」。どちらもクジラならではの恵みとして、近年多くの研究者や専門家が注目しています。

今回は、クジラのスタミナの秘密と、美容・健康にうれしい栄養パワーを2つのひみつとしてご紹介します。

ひみつ①脅威的な距離を泳ぐクジラ特有の成分!疲れにくい体をつくる「バレニン」とは

クジラの赤肉は、高タンパク・低カロリーのヘルシー食材として知られていますが、それだけでなく、私たちの健康に嬉しい成分が豊富に含まれています。

その中でも注目されているのが、クジラ特有の成分「バレニン」です。

このバレニンは、肉体的・精神的な疲労回復に効果的とされ、現代人の健康維持に役立つスタミナ成分として研究が進められています。

「バレニン」は「イミダゾール・ジペプチド」の仲間として発見された

生活習慣病の予防や老化抑制、疲労軽減に関わる抗酸化成分として知られる「イミダゾール・ジペプチド」。これまでは、渡り鳥やカツオの筋肉に多く含まれる「カルノシン」や「アンセリン」が代表的でした。

そんな中、最近の研究で新たに発見されたのが、クジラの赤肉から見つかった第3のイミダゾール・ジペプチド「バレニン」です。

この成分は、長距離を移動し続けるクジラの持久力の秘密として、今、栄養学の分野でも注目を集めています。

絶食状態で数千km泳ぎ回るクジラ スタミナの秘密はやはり「バレニン」

回遊するクジラは、1年のうち半年を餌の豊富な北の海で過ごし、残りの半年を、ほとんど餌を取らずに南の海で子育てをします。その間、数千kmもの距離を泳ぎ続けるにもかかわらず、体力を維持できる理由こそが「バレニン」なのです。

さらに驚くべきことに、クジラは「カルノシン」「アンセリン」「バレニン」、この3つのイミダゾール・ジペプチドすべてを持つ唯一の動物です。中でも「バレニン」の含有量は圧倒的です。

クジラ肉はまさにナンバーワンのスタミナ食!

クジラの種類によって異なりますが、ミンククジラやイワシクジラでは100gあたり1200mg以上、ナガスクジラでも1000mg以上のバレニンが含まれています。

一方、カツオ類はアンセリンを1228mg含みますが、カルノシンはわずか66mg程度。

イミダゾール・ジペプチド全体で見れば、クジラ肉の含有量は他の水産物を圧倒しています。

つまり、クジラの赤肉は疲れ知らずの体を支えるナンバーワン・スタミナ食材なのです。

ひみつ②健康維持に欠かせないカラダに良い脂肪酸がたっぷり!海からの恵み「オメガ3」

人間の体内では作ることができない、健康に欠かせない脂肪酸「オメガ3」。

これは、DHAEPAで知られる「オメガ3系多価不飽和脂肪酸」の総称で、心臓や血管の健康維持、脳の働きのサポートなど、様々な効果が報告されています。

「オメガ3」は体内でつくれない必須脂肪酸

オメガ3は人間の体内で合成できないため、食事から摂取することが不可欠です。厚生労働省やWHO(世界保健機関)も、日常的な摂取を推奨している栄養素のひとつです。

クジラの皮下脂肪には、魚でよく知られるDHA・EPAに加え、クジラ特有の「DPA(ドコサペンタエン酸)」が含まれています。このDPAは、脂肪がつきにくくなる効果があるとされ、クジラならではの健康成分として注目されています。

植物性よりも水産物由来が効率的!

アマニ油やエゴマ油といった植物性オメガ3オイルの主成分は「αリノレン酸」です。

しかし、人間の体内でこのαリノレン酸がDHAやEPAに変換される割合は、わずか5〜10%未満とも言われています。

一方で、クジラなどの水産物に含まれるオメガ3は、すでにDHAやEPAの形で存在しているため、吸収効率が非常に高いのが特長です。

クジラのオメガ3は水産物の中でもトップクラス!

クジラの皮下脂肪には、他の魚類に比べても豊富なオメガ3が含まれています。

そのため、クジラ肉を食べることで、より効率的に、良質なオメガ3を摂取できるのです。